Island Peak/アイランドピーク

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Island Peak/イランドピーク -Apr 2017-


■Note

アイランドピーク6189m、アコンカグア以来の久々の6000m越え登山を迎える。

ガイド登山はボリビア以来なのでこれも久しぶり。

「簡単」とされているアイランドピークで実際どーなのか緊張していたのだけど

結果から言うと

順応も完璧だったこともあってベースキャンプから登頂まで5時間でさっくり登頂。

ガイド曰く過去最高のスピードということでこれはちょっと自慢。笑

で、簡単なのは間違いなかったが、最後の200mの氷壁はFixロープを登るだけというものではあったけどかなりキツかった。

ボリビアで簡単とされる似た標高のワイナポトシより難度はあったとは思うけど登頂率は遥かにこちらが高かったように思えた。

というのもベースキャンプに行くスピードの圧倒的な遅さや既に胃が悪いとか体調不良だった人が数人いて

過去南米の見識から絶対登れないだろうなと思ってた人でも登れていたから。

これはガイドのクオリティの差(ペースを人に合わせてゆっくりしてくれたり早めにスタートさせてくれる、弱い人は荷物持ってあげたりしてくれる)

そして雪崩の危険性の薄さによる時間的余裕

この両者のおかげでワイナポトシに比べて成功者が多くなっていたように思える。

なので6000m雪山に登ってみたい!けど自信がない人は南米でなくネパールのがオススメできます。

ネパールのほうが圧倒的に高いけど。。

Day12:チュクン4900m→アイランドピークBC5100m
Day13:BC5100m→アイランドピーク6189m→BC→チュクン4900m

■How to get there

チュクンからベースキャンプへ。午前一時に出発し、後はただ登るだけ。
ハイキャンプは使用しないのが通例のようだった。

■Photos


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Island peak climbing/アイランドピーククライミング1
チュクンで装備をレンタルし、2時間ほど歩きベースキャンプへ。写真はクライミングガイド、シェルパ族のニマ、33歳同い年。エベレストに7回登頂している凄腕。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング2
ベースキャンプに向かう中で撮ったアイランドピーク。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング3
今回のクライマーはガイドを除いて10人ほど。テントは各エージェント毎に分かれているようでベースキャンプ地は広く300mくらい奥まで続いていた。ちなみにここに来たら驚くほどVIP扱いを受ける。まず飲み物は何でも出てくる、ホットチョコレート、ミルク、コーヒー等等、エベレストエリアではどれも一杯150ルピー以上する高級飲料が飲み放題なことに感動。ランチにパスタ、ディナーの前菜にポップコーンとスープ、メインにダルバート、そしてデザートにフルーツ。出発前もチーズトースト出てくるし、バカ高いクライミング代を払ってるとは言え感動のベースキャンプだった。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング4
寝る前までは風がそこそこに吹いていたが就寝してから風が完全に止んでいた。そして出発時には雲なくパーフェクトな天候に。これは登ったなとこの時点で確信。先に出発していた面々をスタスタハイペースで全員抜かし登っていく。写真は途中休憩した時に。標高も5800m過ぎまで氷河はなく普通のトレッキングブーツでも登れるレベルで非常に楽な行程。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング5
ベースキャンプを出発し約5時間後、登頂を果たす。最後の200mが全身運動となり本当に苦しかったけど何とか。6時半くらいだったかな?朝日を受ける山々。右に写るアマダブラムだけは厳つい面妖。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング6
ガイドから運が良かったら朝日見れるかもな、と言われていた朝日を頂上で拝むこともできた。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング7
そして頂上のすぐ真後ろにそびえるローツェ8516m、、、デカすぎて笑う。自分が6189mの頂上にいるのが信じられない。アコンカグアも4300mくらいのところから下からガツンと見られるポイントがあるのだけど真下から標高差2000mを超えた山を見上げた時の威圧感は凄まじい。これは多分日本では経験できないと思うし、森林限界を超えた景色っていうのは山というかあまりにも大きな巨岩なんだということ。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング8
ニマは頂上に着いたらまずは一服。そして家族に登頂の電話を入れていた。電波入ることにも驚くがこの標高でタバコを吸えるシェルパ族の強さも思い知る。

IMGP4565
Island peak climbing/アイランドピーククライミング9
登頂の写真も。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング10
扉写真にも使ってるけどもう一枚。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング11
頂上でゆっくりしてると壁下に他の登山者が取付き始めたので迷惑にならないようにこちらも撤退をすることに。登りは薄暗かったのでここで氷壁をようやく写真に収める。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング12
氷壁下部はこんな感じ。ここに張り付く前に大きなクレバスがありジャンプしないといけない所があり、これが意外と怖い。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング13
更に離れたところから見る。頂上がエッジのきつい場所であることがよくわかる。しかしfixロープがあるとはいえこの山を簡単と言い切ってしまうのはどーなのよ?と他のガイドに言ったら10年前はもっと雪が多くてこんなに急な傾斜を登る必要はなかったから簡単だったんだとのこと。。ガイドいれば登れるけど今のこれはロープワークしっかりできてないと単独はキツいなーと思った。


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Island peak climbing/アイランドピーククライミング14
登りでは気づかなかったけど周囲は大きなクレバスが沢山。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング15
底が見えないクレバス。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング16
海外の雪山ではよく思うことだけど下山してる時にその山の凄まじさに圧倒される。そして自分はその下山中の景色が大好きだったりする。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング17
ここも素晴らしい景色。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング18
氷河地帯を抜け、ここでゆっくりと休憩、ベースキャンプで渡されていたスナックやらパンなど朝食を取る。ちなみどれが頂上かわかりますか?

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング19
手前かと思いきやこんなに奥でした。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング20
この氷河との境でみんな不必要な荷物を置いていく。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング21
どんどん下山をしていく。

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Island peak climbing/アイランドピーククライミング21
氷河湖、左が氷河になっていて右側の白い部分が全て湖になっている。今は全て凍りついてるけど。

この後ベースキャンプに戻ってヌードルスープを頂き1〜2時間ほど寝たりダラダラして休んでまたチュクンへ戻って終了に。



☆☆番外編コラム☆☆

今回のトレッキングクライミングを通じてシェルパ族における境遇をここに。

自分はジャーナリストでもないし、何かをしようというわけでもない。
ただ数人のシェルパ達から聞いた話がわりとショックだったので共有の意味もこめて。

アイランドピーク出発前日、チュクンでガイドと待合せるということでその晩にやってきたシェルパ族の男はシェルパの中でも一際黒く焼けた男でその身長は今まで会ってきたシェルパの中でも1番背が高く、自分(181cm)よりもデカかい男だった。聞くとエベレストに7回登頂した輝かしい経歴の持ち主で名前はニマという同い年の33歳。その体格と顔の黒さで納得はしたけど、しかし最初は嘘だと思った、というのも上の写真の通りの身なりでエベレストクライマーとは到底思えないほど貧相な装備だったからだ。エベレスト登山には1人あたり数百万かかる。それだけに彼らが貧しいシェルパ族とは言ってもクライミングガイド、特に何度もエベレストに行けるようなスペシャルな人間は成功者として「エベレスト御殿」みたいなとこに住んでいるもんだと思っていただけに衝撃だった。

エベレスト7回とか凄いじゃないか!と話しかけるとニマは言う。

「正直もうエベレストなんて登りたくない」

曰く2ヶ月間拘束され家族にも会えない、危険と隣り合わせの仕事になるので割りに合わないんだと、もう既に20人以上友達が死んでいると言う。確かに一昨年は震災、その前年はエベレスト史上最悪の雪崩事故があって沢山のシェルパがエベレストで死んでいる。きっとニマも現場にいたのか同僚達が沢山現場にいたんだろうなと。しかしエベレスト登山は高額なアクティビティ、危険性はあるものの頂上まで行くようなガイドは相当の給料が出てるはず、、気になったので幾ら貰えてるのか聞いてみたところ

「最大で600ドル」

ということ。これにチップがあるとは言え衝撃の金額。2ヶ月拘束でこれだけ。少なすぎ。。
ちなみに2年前に刊行されたナショナルジオグラフィックの取材ではサミットまで帯同するシェルパガイドの給料は45万〜50万と書いてあった。シェフは12〜15万円。彼は本にあるシェフより安い給料。。。

ちなみにアイランドピークのガイドの給料は10000ルピー。こちらは拘束は通常1泊2日で米ドル換算で100ドル弱と悪くない給料だった本人も家族にもすぐ会えるしアイランドピークやロブチェピークで稼ぎたいんだという。

しかしやりたくないエベレストでもエージェンシーから指名が来たら断れないんだそうだ、これは他の何人ものシェルパガイド達にも聞いたけど皆んな断れないと言う。恐らく一度でも断るともう仕事が入って来なくなることを恐れて受けざるをえないんだろうと思う。あるガイドは所属してるエージェンシーを変えたいけどどこがいいかよく分からないんだよ、と。

シェルパガイドの世界ではエベレストのサミッターというのは1つのステータスでガイドとして大きく成り上がっていくには必ずサミッターになっておく必要がある。ニマはもう登りたくないというが登りたいというシェルパ達も多いのも事実、自分が会ったガイドの1人は去年エベレストに登頂できたので更にガイドのスキルを上げるべく英語力を高めているところで、高山病の医療系の資格も取ったと言っていた。

確かにシェルパガイドが全て貧しいわけではなく、より理知的な人は装備も充実していて英語も堪能で成功者として夢はある仕事なんだろう、でもやっぱりそれは一部で大抵の人達は悪徳エージェントに搾取されているように見えた。

ニマにも言ったけどエージェンシーが良くないなら自分達でガイド会社とか作ったらどーなん?
と提案してみたけど、パーミットを発行するのがカトマンズだったり顧客を抑えてるのもカトマンズなのでそれは簡単にはいかないそうだ。

シェルパは言う、カトマンズが嫌い、カトマンズのインド系の顔のネパリーが嫌いだと。
金を取ることしか考えてない奴らと。

ここに来るまでお金があるならいつかエベレストに登ってみたいなとは思い描いていたけど、エージェントから指名されて薄給で嫌々来ているかもしれないシェルパがいるかもしれないと思ったら急にやる気が失せた。

とりあえずは自分で登れる山を中心に地道に登っていこうと。

■Accommodations/安宿

ベースキャンプ
 ●My Rating
:☆☆☆
 ●Price
:ツアー費用込み
 ●Room
:テント泊
 ●Bathroom
:共用
 ●Wi-Fi
:無し
 ●Location
:アイランドピークベースキャンプ
 ●Special Mention
:

Thank you for reading
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コメント

  1. コメント失礼します。ちょっと詳細を知りたいのですが、チュクンでガイドを雇ったのでしょうか?また、登山許可の費用もカトマンズでなく、チュクンで支払ったのでしょうか?よろしくお願い致します。

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  2. 許可書も費用も全てカトマンズで支払いました。チュクンはガイドとの待ち合わせとレンタル装備を調達・フィッティングできる村となります。エベレストトレッキングの記事に書いていますが、ロブツェピークだけは現地(ロブツェ)で全ての手配が可能なようです(今はわかりませんが。。)

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