Lenin Peak/レーニンピーク-2

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Lenin Peak/ーニンピーク-2 -Aug 2017-


■Note

レーニンピーク登山後編、前半はこちら。

■How to get there

ただ歩く、登る、降る

Day4 C1・4400m→高度順応ポイント・4700m→C1
Day5 C1→C2・5300m
Day6 C2→C1
Day7 C1→C2
Day8 C2→C1
Day9 C1→BC
Day10 BC→→→オシュ

■Photos


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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C11
到着日の午後から雹、雪が降り続きなかなかの荒天。翌日はご覧のような感じだった。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C12
朝方は天候が荒れてたけど段々晴れ間が見えてきたので1番の難所とされるC2までの道を視察。薄っすらとと遠目からでもトレースが見えるので道に迷うことはなさそうだなと。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C13
自分のキャンプ地に戻り暇を持て余している中、ふと目に付いた近場の小山。聞けば高度順応にも使う山ということで、午後になっていたけど急遽登りに行くことに。写真は道中、上から眺めた氷河、厳つい。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C14
道中の景色でゆったりとレーニンピークを眺める。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C15
キャンプ地から見てたら近いのかと思ったら稜線に出ると奥まで続いてる様子。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C16
後ろを振り返るとこんな感じ。レーニンピークから1番外れにあるAk-Saiトラベルのキャンプが見える。

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Day4 acclimatization day on Camp1/高度順応日at C17
頂上にて。山の名前はPeak Yukhinaというらしい。到着日こそ順応の必要性を感じてたけど2日目はベースキャンプ同様すこぶる快調。問題なさそうだったので翌日早朝C2に向かうことにした。順応目的のC2だったので使わないトレッキングブーツや食料はティエンシャントラベルに預けてきた。有料で日割で50ソムくらいだったと思う。

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Day5 Way to Camp2/C2への道1
事前に他登山者やエージェントに聞くと皆朝4時に出発してC2に向かうのが通例という。ので自分も4時に出発を。めちゃめちゃ寒いし、そんな中1人でテントをしまってパッキングするのは萎えるものだった。前日下見をしていたわけだけど端に位置する自分のキャンプ地からレーニンピークに取り付くまでフラットな氷河、岩場の横断、これが暗闇だと本当にトレースが分かりづらく、かなりの苦戦を。迷いながら進んでいるとドイツ人グループに遭遇。これはラッキーと思ってたけど彼らも迷いながら進んでいるようだった。最終的にツアー団体に遭遇して彼らをフォローすることで何とか抜けられたけど端にキャンプを張るとこんな苦戦があるのかと思い知った瞬間だった。

レーニンピークに取り付くところで傾斜がキツくなるのでそこでクラムポンを装着。グループ登山者達は合わせてロープで互いを結び完全に登山モードに切り替わってくる。写真はそんなクレバス帯を進んでいるところ。写真に写る割れ目を1つ1つジャンプなり跨ぐなりして越えていく。前後に安定はしているけどヒドゥンクレバスもあったりするんだけどツアー客達は気にもせず立ち止まって休憩したり、後続を気にしないので少し距離を取ってフォローするのがちょうどいい感じだった。

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Day5 Way to Camp2/C2への道2
段々日が明けてくる。起きるのは辛いけどこの時間帯はやっぱり好きだ。

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Day5 Way to Camp2/C2への道3
危ないクレバス帯を抜けると更に傾斜が強まる。写真を見るとわかるように皆んな同じ時間に出発するので登山者は多い。なぜ早朝に出発するかというと雪崩やアイスフォールの可能性の低減ということもあるけどそれ以上に日が出ると太陽とその反射でめちゃめちゃ暑くなってしまうから、ということらしい。

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Day5 Way to Camp2/C2への道4
最後に大きなクレバス帯を通過する。見た目は激しいがこちらの一帯はトレースとクレバス帯がしっかり区別されてるのでわりと安全、、だったけど写真の人たちが歩いてるエリアはクレバスとクレバスの繋ぎ目になっていて、最後の下山時にはそこのヒドゥンクレバスの穴が広がっており肝を冷やすような場所になっていた。

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Day5 Way to Camp2/C2への道5
先ほどのエリアを超えると大きく弧の字にカーブしながらC2に向かう道になってくる。ここの風が強くなかなか萎える場所だった。

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Day5 Way to Camp2/C2への道6
遠目から見るとエグいクレバス帯、ここを抜けてようやくC2に到着となる。

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Day5 Way to Camp2/C2への道7
遠目からみるとこんな感じ。

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Day5 Way to Camp2/C2への道8
出発から約6時間ほどで到着。神経を使うエリアが多いこともあってクタクタに。上の岩場の良さげな場所はほとんどエージェントやツアーグループに占拠されていたので仕方なく下の氷河上にテントを設営。半径3メートル以内にクレバスがあるし、後から知るが水場が上にあってそこまで行くのにクラムポンを装着しないと危なくて行けないなど、中々ハードな場所になってしまった。

約1000m上がるし道中は傾斜がきつかったり、周りの登山者も全然休憩しないのもあって全然水が飲めておらず、予想通りに程なくして軽い頭痛がやってくる。水をたくさん飲んで、ダイアモックスを服用し大量に放尿をして順応を進めていく。

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Day6 Going back to Camp1/C1へ順応に1
昨晩には頭痛もおさまり翌日朝にはほぼ全快に。ここで本来ならC3へと順応しにいくのだがC1でテントが隣だったロシア人がそのスケジュールは急すぎる、一度登ったらまたC1に戻るんだと、俺もそうする予定さ!みたいなことを言うのでスケジュールが一緒のほうが安心かと思って食料は最低限に、6000m以上で使用予定だったダウンなど備品やガスの荷揚げに初回を使っていたところ、俺はこれからC3に行くよ!とかぬかしてくる。は??昨日と違うことゆーとるやんけ?と言うも、まーそういうことだからまた何処かで会おうぜ、といって去っていった。ムカついたけど食料ないし、仕方ないのでこちらは下山を。テントはきっちり設営をして備品その他はデポせずテントの中に置いてきた。

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Day6 Going back to Camp1/C1へ順応に2
下山中、下の方で誰かが叫んでいる、何かと思いきや上から不思議な音、なんと複数の雪ダルマ?というのかアイスが高速で転がり落ちてくる!?1つ1つのサイズは上半身くらいはある大きさ、勢いからみても当たれば無事にはすみそうにないレベル。最接近で自分の10メートルくらい近くを通り過ぎたけどビビった一瞬だった。

ちなみに下山そのものは体のキレも順応もよかったのでサクサク2時間半ほどでC1に到着。そして今回はティエンシャントラベルには戻らず、C2に近いCentral Asiaトラベルのレンタルテントを利用することに。が、予想以上に高く一泊20ドル。しかし前回の体験が辛かったしこちらはソロだからいいかと思って出費。そしてマットレスのクオリティなどもあってビビるほど寝心地がよかったのに感動した。

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Day6 Going back to Camp1/C1へ順応に3
預けていた荷物はチェックイン後、ティエンシャンまで取りに行ってきた。写真は下から改めて見たクレバス帯。横にラインが入ってるところは全て飛び越えていく所。

Day7 way to Camp2 again/C2へ再び&悪夢の時間
今回はキャンプ地がC2に近いし、迷わず行ける場所だったのもあり5時間ほどで到着。体のキレは昨日同様問題なかったが今回も前を歩いていたツアー団体のペースに合わせて来てしまったので水分があまり取れなく、かなり喉が渇いてしまっていた。あーこれはマズイやつだと思って水を補給するも、悪い予感があたり順応できていたと思われるこの標高でまた頭痛が再発。

そして1番の悪手をここでやってしまう自分、水分補給をしつつまたダイアモックスに手を出して順応を図ろうとしてしまう。水を当然飲んではいたが既に体内の水分は少なくなっていたはず。そんな中一通り水も飲んだし数回トイレも行ったしと思ってテントでそのまま寝入ってしまう。

そしてふと目覚めると太陽の照り返しでテント内はだいぶ高温に、汗だくな自分。そして異様な喉の渇き、と謎な頭痛が、

一先ず渇きを潤すかと水を飲んで飲んでするもまったく渇きは取れず、むしろどんどん気持ち悪くなっていく、最後は水そのものが気持ち悪く。しかし身体はどんどん渇いていく、何だ?何だコレ?と何が起こったのかこの時は原因もわかっておらず、人生で初めての脱水症状?水中毒?と僻地高地に単独でやって来てる恐怖から凄いパニックになってしまう。

水がダメならと思って一袋だけあったポカリスエットを水に溶かして飲むと、身体全体で水分、糖分が取り込まれていくのを感じ、これが正解だったんだと。2時間ほどたったところで元に戻ったけど先ほどの恐怖が体に大きく残ってしまい、ここから先登っていくことへの気持ちが折れてしまった。

これが原因だったのか夜にはまた頭痛と今度は胃が完全に機能しなくなり吐き気と猛烈な便意に襲われる。日が沈み真っ暗の中、運も悪くこの日の夜は天気が荒れて外は暴風でトイレエリアまで辿りつけそうにもない状態。しかし我慢もできないのでテント付近で半泣きで用を足す。その後、寒気なのか本当に寒いのかもわからない中寝袋の中で凍え続け朝を迎える。後で気温見たらこの日はマイナス15度くらいだった。

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Day8 Going back to Camp1 again/C1へ撤退1
朝になってもし体調が治ってればと思っていたけどこんな状態で一晩を明かした自分に回復の余地はなく寧ろボロボロ、、これ以上は危険と判断して気力で2時間近くかけ重い体で全ての荷物をパッキング、更に4時間近くかけてフラフラで下山した。途中クレバス帯のトレースが完全に消えていたり、前日まで飛び越えていたところの溝が更に広がり他のポイントを探さないといけない場所があったりとそんな場所は一瞬ではあるけど本当に生きた心地がしなかった。

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Day8 Going back to Camp1 again/C1へ撤退2
撤退時に何となく自撮り。頰がこけてる、C1に戻って鏡を見たら目は充血して真っ赤。大きな隈もあり完全に生気を失っている顔に自分でもびっくりしたし、というかたった1日でここまで体に出るのかと。そして辿りついた安心感からかテントに入った瞬間数時間気を失うように寝た。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退1
他の下山者を横目に、この日完全撤退をすべくとしてBCに戻ることにした。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退2
最後にお世話になっていたC1のCentral Asiaトラベル、スタッフは皆英語通じるし、金額を除けば丁寧なところだったと思う。有料だけどWi-Fi使えるし。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退3
本当に下山してよかったのかとか、反省点とかブツブツ小言を言いながら下山を。周りにいなかったけど見られてたら気持ち悪い奴だったと思う。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退4
とはいえ景色は最高だったので写真は撮っていった。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退5
山のグラデーション

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退6
ヤクではないけど、ヤクみたいに毛の長い牛達。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退7
標高も3000m台にまで戻ると平和な景色に。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退8
あれだけ追い詰められた山も離れるとまた違った感じ、しかし悔しすぎて本当に辛い時間だった。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退9
マーモットもたくさんいて、心の中と相反して景色は平和そのものだった。

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退10
レーニンピークと地元の子供達

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Day9 Going back to BC/BCへ撤退11
羊飼いの犬と美しい山間。

ということで無事にBCまで戻る。

Day10 Going back to Osh/オシュへ帰還
帰りはバスかシェアタクシーで帰りたかったので各社エージェンシーに帰りの車があるか、空きがあるか聞き回りAk-Saiトラベルがちょうどツアー終りで翌日帰るところだというのでそこに便乗してオシュに戻ることに、ちょうど前に座ってた奴が登頂成功者だったようでふとしたことでそいつの写真が目に入ってしまい、思わず目頭が熱くなりつつ、オシュに戻った。

とりあえず。この山はまた挑戦するんだなと思った。

■Accommodations/安宿

Camp1 Central Asia Travel
 ●My Rating
:☆☆☆
 ●Price
:20ドル
 ●Room
:レンタルテント
 ●Bathroom
:共用
 ●Wi-Fi
:有り(有料20ドルで500mbまで)
 ●Location
:Camp1
 ●Special Mention
:C2に1番近い、荷物の預け費用は取り出し戻し自由で20ドル

BC Ak-Sai Travel
 ●My Rating
:☆☆☆
 ●Price
:12ドル
 ●Room
:レンタルテント
 ●Bathroom
:共用
 ●Wi-Fi
:なし
 ●Location
:BC
 ●Special Mention
:ラウンジにてポットのお湯を注げる。電源使用可能、ガス缶等の販売・レンタル、トランスポートサービスなど


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